卑怯なボクは深海魚
第3章 戻らぬ日常
「兄さん――――…大丈夫?」
中3になる弟の康太(コウタ)がボクの様子を見に部屋をノックする
「――――…あ、ぁ…うん…大丈夫――――…」
流石に――――…
2日も学校を休んだボクの事が気になったのか…
康太は心配そうな顔を見せた
――――…そう…
ボクは先輩の唇を奪った次の日から…2日も学校を休んでいるのだ
あの日――――…帰ってくるのも遅かったボクは両親に凄く心配をかけた
あれこれ聞かれたが――――…
電車には乗らず徒歩で帰ってきたと言い訳をした
本当は…
あの木の下で――――…大泣きをして
動けないでいたのだ