風鈴の夏
第3章 俺と僕
「おとーさんとおかーさん、どこかなぁ?」
ユウくんはそんな俺をよそに言う。
俺は必死に思い出す。
いいや、ダメだ。
父さんも母さんも俺を探してウロウロしているハズだ。
下手に動いて行き違いになった方が困る。
「ねえねえ、おとーさん達探しに行こう?」
「ユウくん、1つ良いかい?」
「なあに?」
「俺の手を離しちゃダメだよ。」
俺は神社の階段をユウくんの手を引いて降りる。
さて、どこが分かりやすいかな?
俺は休憩スペースの端に決めた。
「ねえねえ、お兄ちゃん、おとーさんとおかーさん探しに行こう?」
「いや、ここにいよう?」
そう言うとユウくんは驚いたように言った。
「え?おとーさん達、探さないの?」
「探すよ。」
「じゃあ、どうして?」
「お父さん達も君を探しているハズだ。だから下手に動いて行き違いになっても困る。迷子になったり道に迷ったりした場合は動かない方が良いんだ。」
俺はユウくんに優しく言い聞かせるように言った。
しかしユウくんは嫌々するように首を振る。
「でも、よーちえんのセンセーが言ってたよ。自分が動かないと始まらないって。」
俺は頭を抱える。
なんて余計なこと教えてくれたんだよ。
確か、この言葉を教えてくれたのは幸美先生だったけ?
「あのね、ユウくん、確かに先生はそう言ったと思うけどそれは少し状況が違う時の話だよ。今はね、動かない方が良いんだ。」
小さい子どもに説明するのって難しいなと思いながら俺は言う。
俺の言っていることは小さい子には難しいかもしれない。
もう少し冷静に考えられる歳になれば分かっただろうに。
しかしユウくんは…
納得こそしてないが渋々頷いた。
俺はほっとした。
幼い俺は思ったより聞き分けが良い子らしい。
「良い子だ。」
俺がそう言って頭を撫でてあげると嬉しそう笑う。
その時、グゥゥと可愛らしいお腹の音がした。
ユウくんのお腹の音だ。
俺は思わず吹き出す。
「そりゃあ、お腹空くよね。少し待っててね。絶対、動いちゃダメだよ。」
俺は彼にそう言って何か買ってくることにした。
ユウくんはそんな俺をよそに言う。
俺は必死に思い出す。
いいや、ダメだ。
父さんも母さんも俺を探してウロウロしているハズだ。
下手に動いて行き違いになった方が困る。
「ねえねえ、おとーさん達探しに行こう?」
「ユウくん、1つ良いかい?」
「なあに?」
「俺の手を離しちゃダメだよ。」
俺は神社の階段をユウくんの手を引いて降りる。
さて、どこが分かりやすいかな?
俺は休憩スペースの端に決めた。
「ねえねえ、お兄ちゃん、おとーさんとおかーさん探しに行こう?」
「いや、ここにいよう?」
そう言うとユウくんは驚いたように言った。
「え?おとーさん達、探さないの?」
「探すよ。」
「じゃあ、どうして?」
「お父さん達も君を探しているハズだ。だから下手に動いて行き違いになっても困る。迷子になったり道に迷ったりした場合は動かない方が良いんだ。」
俺はユウくんに優しく言い聞かせるように言った。
しかしユウくんは嫌々するように首を振る。
「でも、よーちえんのセンセーが言ってたよ。自分が動かないと始まらないって。」
俺は頭を抱える。
なんて余計なこと教えてくれたんだよ。
確か、この言葉を教えてくれたのは幸美先生だったけ?
「あのね、ユウくん、確かに先生はそう言ったと思うけどそれは少し状況が違う時の話だよ。今はね、動かない方が良いんだ。」
小さい子どもに説明するのって難しいなと思いながら俺は言う。
俺の言っていることは小さい子には難しいかもしれない。
もう少し冷静に考えられる歳になれば分かっただろうに。
しかしユウくんは…
納得こそしてないが渋々頷いた。
俺はほっとした。
幼い俺は思ったより聞き分けが良い子らしい。
「良い子だ。」
俺がそう言って頭を撫でてあげると嬉しそう笑う。
その時、グゥゥと可愛らしいお腹の音がした。
ユウくんのお腹の音だ。
俺は思わず吹き出す。
「そりゃあ、お腹空くよね。少し待っててね。絶対、動いちゃダメだよ。」
俺は彼にそう言って何か買ってくることにした。