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仔猫ちゃんとレジのお姉さん

第1章 🐱®

そして15分後……

「ごめんなさい。お待たせしました」

レジのお姉さんは息を切らしながら
僕の元へ走ってきた。

「いいえ。大丈夫です」

暇です。無職ですから。

「私もあの仔猫が気になっていて……
でも仕事に行く途中だったし……
あぁ……でも良かった。安心しました」

レジのお姉さんは
心の底から安堵した様子だった。

「見に……来ます?」
「えッ?」

そうか……

これじゃ、まるで仔猫ちゃんをダシに
お姉さんを部屋に誘っているようだ。

「そ……そういう意味じゃなくてッ」

お姉さんは僕の動じる様子を見て
クスクス笑った。

「玄関先で拝見させて頂きます」

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