幸せのあしあと
第1章 幸せのあしあと
美香子さん、社長命令を受けて動物病院へ行きましたよ。
犬、元気回復!
はい、支払い三万なり!
えっ!!高くない!?
動物を飼うというのは、愛とお金が必要なんです!
美香子さん支払いましたよ。
会社に帰り、元気な犬の姿を見て、社長はじめ従業員は、『良かったね!』と交互に言い合い、胸を撫で下ろす。
が、しかし、動物病院の支払い額を聞いて、みんな目が点。
社長もです(笑)
「美香子さん、僕が支払いますよ」と言ってはくれたのですが………
「………私が飼いますからいいです………」と。
飼い主も現れない。
命も救った。
三万は痛かった。
でも、可愛い!
私がこのワンちゃんの飼い主になろうと決めたようです。
さすが、美香子さん!!
実は、美香子さんには犬を飼うにあたり難関がありました。
美香子さんの夫の隆雄(たかお)さん
未来の私の主である、雅人(まさと)さん
いきなり犬を連れて帰ったら、何を言われるか想像がつきます。
特に雅人は手強い!
一人っ子育ちで、隆雄さんと美香子さんの愛情たっぷりで育てられ、多少の我儘は通ってきてるんです。
いわば、王子様環境で育ってますからね……ペットを受け入れられるのかが問題です。
案の定、「何だ!獣くせぇー!」と、玄関での第一声。
そして、白いモコモコが雅人の前に現れる。
「お前は誰だ!」と声を上げ、不審者を見る目で美香子さんに問いただす……