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私も辰巳先生の腰に手を回すけど
それ以上の進展は無くて
ただ寄り添い抱き合い
お互いの温もりを感じるだけで……


「さっきのキスですが」

「ぁッ……はい……」


あたかも今の今まで
忘れていたような返事をしたけど
本当のところは
いつキスされるのか……と
期待している気持ちがあった。


「バレたら困ると言っていたのは
見ず知らずのサラリーマンです。
咄嗟に嘘を付いてしまいました」

「どうして……ですか？」