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「清香、そろそろ行かないと。
お待たせしちゃ悪いわよ」


相手は政治家の息子。


時間や身なり、あらゆることに手厳しそう。


「ゃばッ。もうこんな時間かッ。
で、相手の名前と、どこのホテル？何号室？」

「大桃辰巳さんよ。○○ホテルの東館で
1015室だから。メモしなくて大丈夫？」


母親の説明を聞きながら
就活でしか着用する機会がなかった
黒いスーツに着替える。


「大丈夫ッ。じゃ、行ってきますッ」