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Treasure of life

第9章 抱擁

「お疲れ様でーす」
無事に収録が終わり、俺は気持ちを落ち着けようと、楽屋を出て自販機がある休憩スペースに腰掛けた。

「…はぁ…」
ひとつ溜息をつく。

…すると、コツコツという足音が後ろの方から聞こえてきた。

その足音は急に早くなった。俺が振り返ろうとしたとき…。

「じゅ〜〜ん!」

「ぅわっ!さとっ…」

「こんなとこでどうしたの?早く帰ろ〜?」
智が後ろから抱きしめてきた。

全くこの人は…。人の気も知らないで。。

「だ〜か〜ら〜、家以外でこんなことするのマズイって…」

「大丈夫だよ〜。俺らが仲いいのは周知の事実でしょ(笑)?あ、潤、今日なんか甘いニオイするね?」

「あぁ。手かな?蜂蜜エキスが入ったハンドクリームなんだって。メイクさんに勧められたの」

「へ〜?」

「智も聞かれなかった?コレ新しく出たんですけど使ってみませんか〜って」

「俺?聞かれたかな〜?ボーッとしてたかも(笑)」

「はいはい。大野智、平常運転ですね(笑)。
他3人にはやんわりと断られたらしくて。折角持ってきてくれたし、俺使います、って」

「そうだったの?相葉ちゃんは乾燥上等って言ってたもんね(笑)。
でも、ほんのり香る感じでいいね」
智は俺の手をとって自分の顔の方に近づけた。

「…あっ…」

顔がかぁっと熱くなる。。

俺、触れられて敏感になってる……。

「潤?」

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