テキストサイズ

Treasure of life

第11章 After the rain


「大事にされてんじゃない?」
そう言ったのはクラスメイトの和。

俺と智くんの仲を唯一知る親友だ。

お昼休み―――
和がお弁当に入っていたハンバーグを口いっぱいに頬張った。

「そうなのか?」
「だって、付き合ってすぐそういう感じになるとさ、身体目当てとかってよく言うじゃん?」
「う〜ん…」
「先生もきっかけを探してるのかもよ?だから気長に待ってみたら?」
「気長にねぇ…」
「…それか、潤から誘っちゃう(笑)?」
「…は?そんなこと出来るわけっ…」

俺がついムキになって声を張り上げると、それに驚いたクラスの皆の視線が一気に俺に集中した。

ニヤニヤとした笑いを浮かべる和…。

俺はコホンと咳払いをして、何事もなかったかのように椅子に腰掛けた。

「そんなこと出来るわけないだろっ」
「そう?潤て、性欲強そうだし…んぐっ」

俺は、小声だけど聞き捨てならないことを言った和の口を右手で塞いだ。

「それ以上言ったらぶっ飛ばすよ(笑)?」
「こわ〜っ(笑)。
まあそれは冗談だけどさ、大事に思ってくれてるのには変わりないと思うけど」

そう言うと和はニッコリ笑った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ