
Treasure of life
第1章 Baby blue
――――――
駅の改札から俺の愛しいヒトが走って出てくるのが見えたから手を振った。
「智くん〜、こっち、こっち」
「はぁっ…はぁっ…。
潤ごめん、遅れて……」
「10分遅刻〜」
「ほんとすまんっ、時間までまだ大丈夫だと思って釣り雑誌読んでたらウトウトしちゃって…」
「智くんらしいね(笑)」
桜が咲いた頃、俺は3年生になった。
智くんとは学校で会うことはなくなってしまったけど、前と変わらず休日には約束をしてこうして会ってる。
離れていても心はつながっていると思うから歩んでいける。
だからずっと……隣にいてね。
<おしまい>
