
Treasure of life
第2章 モノグラム
―――数週間後。いつまでも居候ってわけにはいかないから、俺は仕事を始めた。
そして両親は、人間となった俺を温かく迎えてくれた。
母さんは
「カズナリの人生だから。自分らしく生きて」
と言ってくれた。
父さんは…認めたくないようだけど、半ば認めてくれてるんだと思う。
2人ともなんだかんだ、俺を信じてくれてるから。
「俺が潤くんに出会ったのって、偶然だったのかな?
もし潤くんじゃなかったらこんなふうになってなかったのかな…」
「いや、必然だったんだよ。
カズが俺を引き寄せたんじゃない?
でもあのときカズを見つけたのが俺で良かった。
カズと出会えて良かった」
「ふふっ、嬉しい。ありがと」
もう迷わない。
あなたと生きていくって決めたから。
これから先ずっと―――。
<おしまい>
