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オオカミは淫らな仔羊に欲情す

第8章 学校にて

  竜二がそう言うやいなや、
  絢音は竜二に何かの技を仕掛けたが
  反対に目にも留まらぬ返し技で尻もちを
  つかされた。

  絢音がやり込められる姿など、
  初めて見た三兄弟は唖然・呆然。

  急に技を仕掛けられた竜二も同じような顔つきだ。
  

「何だよ、お前いきなり……」

「やっぱり」

「え?」

「し、絢さん、大丈夫っすか?!」

「うん、大丈夫 ―― ふふふ……オッケー、
 あんたの頼みなら聞くよ、りゅうじセンセ」

「は?」 

「で、どうすればいい?」

「えっ ―― じゃあ、もう皆んな、真っ直ぐ自宅へ
 帰れ」

「よっしゃー、じゃあ、解散!」

「「ええ~~っっ!?」」

「ちょっ、どうしてですか? 絢さん」

「どうしてでもよ ―― じゃ、またねセンセ。
 行こ柾也」

「おう」


  絢音は柾也と共に立ち去って行く。

  一体、あれの何処が悪魔なんだ?
  聞き分けのいい、ごく普通の生徒じゃねぇか。


「どうゆう事なんだよっ」

「なぁ、鮫島って絢さんの何な訳??」

「何で絢さんはお前の言う事素直に聞くんだよ?!」

「信じらんねぇ、あの絢さんがいとも容易く
 尻もちなんて」

「だ~~っ、もう、うっせー、和泉はお前らの
 何なんだよっ」

「「彼女は俺らだけの ――」」

「ヒロインだ」「アイドルだ」


  は、ぁぁっ?!   
  余計、訳わかんね~……。

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