テキストサイズ

こんな日は抱いて欲しい

第12章 無敵のモリマン伝説?



ーー  



 「話は再び戻りますが、クラスの大半が嘘の噂話を間に受けて、千紗をシカトするようになりました。
机にバイ菌女、お手軽ヤリマンなんて書かれたりもして、ボッチで過ごす時間も増えていきました。
でも、千紗は負けなかった。
下唇をキュッと噛み締めて、イタズラ書きされた机の上にファッション雑誌を置いて、何でもなかったような振りをしてページを捲ってました」

 「強いね」

 「強いですね」

 「ハイ。強いです。
強いけど……震えてたんですよ。唇がワナワナと。
悔しい気持ちを押し殺すようにギュッと噛んで、涙を見せないようにそっと雑誌を盾にしていたんです」

 「いじらしいわ……」

 「健気です」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ