こんな日は抱いて欲しい
第5章 真由子のセレナーデ♪
「オイ、泣くなよ真由子。
真由子が泣くほどの価値ないだろ、俺……」
「……だって…こうしてまた会えたのに、遠くに行っちゃうなんて……寂しいじゃん!
私だって、瑛太の事、忘れた振りして強がっていた。
嫌いになれたら楽なのに、嫌いになれない自分が女々しくて泣けてくんだよ!
簡単じゃないから!
瑛太との事、簡単じゃなかったんだから!」
「真由子……
ならさ、真由子に誓ってちゃんと働くから。
もう2度とニートに戻らないよ!」
「そんなの、当たり前じゃん!
当たり前の事、出来なきゃダメじゃん……」
「それに、俺がパチ屋で働く理由は真由子なんだからな!」
「えっ、私?」
「真由子と苦楽を共にした場所でもあるしな……。
何だか、そんな場所で仕事するのも悪くないだろ?」
「うん……」
「俺みたいに飽きっぽくて、持続力のない奴はさ、きっかけがないと中々動かないの。
甘えているうちは動けなかった。
けど、動けた。
パンチのある、魅力的な女に言われたから。
だって、ニートは魅力ないんだろ?」
「ない!」
「なら、今度こそ、魅力のある男にならないとな…」