こんな日は抱いて欲しい
第6章 キャリア・ウーマン♡
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瑛太は、もう私に気持ちがないって事をハッキリとは言わない。
言わない代わりに期待も持たせない。
瑛太なりにちゃんと過去にケジメをつけようとしてる。
私が引いてあげないと、瑛太との本当のラストシーンは迎えられない。
後ろ髪を引かれるような気持ちはDeleteしないと……
最後の最後に、そういう姿、魅せないと!
瑛太との恋が色褪せてしまうのはイヤだ!
それくらいの度量魅せてやれ、真由子!
パンチのある、魅力的な女なんだからさ………
「ハイ!じゃあ、質問です!
噛み締めて、味のしなくなったミノをいつまでも噛んでられますか?」
「えっ?」
「直ぐに答えられない、まだまだダメ、メンズ!
そんな時は………噛まない!飲み込むの!」
「あぁ……」
「恋も一緒。
味気がなくなった恋に、女はいつまでもしがみつかない!」
「うん。………だよな」
少し切なく笑う瑛太の顔も好きよ。
あなたのことは、大好きだった。
これで、やっとDeleteKeyは押せる。
涙を拭いて、瑛太の顔を見る。
髪をかきあげ、ドヤ顔を作る。
私らしいでしょ?
それも悪くないよね?
1人になって、泣きそうになった時、千紗に今日の出来事長文メールを送った。
直ぐに電話が掛かってくる。
「あんたのそうゆうとこ、好きだよ!
そんな真由子には、もっと素敵な恋が待ってるよ!」
また泣かせる事言うんだから……
「当たり前!」
そう言い切って、ティッシュで鼻をかむ私も悪くない。
Delete完了……