幸せの欠片
第17章 傍にいて
何かを確かめるように、相葉さんの指が肌を滑る
肩から腕
首からゆっくりと身体を辿る指がただひたすらに優しくて泣きたくなってしまう
こんなに優しくされたら、俺はもっと溺れてしまう
相葉さんをもっと欲しいと思ってしまう
「かず…」
だらんと下に降ろした腕を相葉さんの肩に添えると
相葉さんが嬉しそうに目を細めた
「かず、なんで?」
「え……」
「何だか消えてしまいそうで怖い」
「そんな、こと……」
思わず肩をギュッと掴んだ
俺は消えない
生きるって決めたんだ
母を死なせた罪は消えないけれど、それを背負った上で相葉さんと生きて行くって誓ったんだ
「相葉さん…」
身体を屈めて、相葉さんの唇にキスを落とす
「消えないように、繋ぎ止めて」
分不相応だと思っていたぬくもりを
愛しいと言う気持ちを
ー…忘れないように、俺の身体に刻み付けて