幸せの欠片
第17章 傍にいて
狂ったように名前を呼ぶ俺を、相葉さんは激しくも優しく俺を抱いた
もう、最後の方では “まさき“ が名前なのかすら分からなくなる程にひたすら口にしていたと思う
「も…っ、無理…無理ぃ…っ!」
「一緒に、イケる…っ?」
荒い息の中、揺れる視線を相葉さんに合わせて、何とか頷いて見せると
今日何度目かの “愛してる“ の囁きと共に一気にスパートを掛けられた
「あ、あ、あ…っ、まさ…っ」
必死にしがみつきながら自分も絶頂に意識を向ける
ガクガクと揺さぶられ、何も考えられなくなった時
「傍に…、ずっと傍にいて…!」
初めて自分から、相葉さんに対しての本音を言うことが出来た
ー…ねぇ、かず
ー…幸せを手に入れるってね、…簡単に見えて難しいのよ
強い疲労感に意識を手放そうとした時に聞こえたのは
……忘れかけていた、あの人の声だった