テキストサイズ

幸せの欠片

第5章 衝動


《お疲れさま。今日も暑かったね!》

他愛のない、いつものメール

だいたい決まった時間に送られてくるのは、几帳面な性格なのか

たまたま手が空く時間なのかは分からないけど

いつの間にかそれが “日課“ になってしまっていて


10分でもずれると何故かそわそわしてしまう自分がいる

お互い仕事なんだからずれるのなんか当たり前なのに


《お疲れさまでした。ゆっくり休んでくださいね》

そして俺も、毎回テンプレートの如く同じ返事を返している


はっきり言ってくだらない、とさえ思う

だけど、相葉さんがこうしてメールをくれる以上俺からは “止めよう“ と言うつもりはない


これはもしかしたら “依存“ なのかも知れない

ただ、甘えてるだけかも知れない

“友達“ がどういうものか分からないから、相葉さんの言う通りにしているけれど


…いや、言う通りにしてるんじゃないな


俺も、くだらないと思いながらも

この日課を楽しみにしているんだから

ストーリーメニュー

TOPTOPへ