幸せの欠片
第9章 あめ、くるま、…そして、あか
おとなが “ぬけみちだからあぶない“ っていってるのはしってたけど
“ぬけみち“ がなにかわからないから、なにがあぶないのかもわからなかった
それにいつもおかあさんといっしょだからへいきだったし
「あ、かえる!」
すこしはなれたみずたまりに、ちいさいみどりのかたまりをみつけた
それがなにかすぐにわかって、“おかあさん、いい?“ ときいてからかえるがいるみずたまりにむかう
おかあさんからちょっとはなれちゃったけど、ちゃんときいたからだいじょうぶ
チラッとみたら、おかあさんもわらってたし
だけどピョンピョンはねるかえるをみてたらたのしくなって、だんだんとおかあさんのこえがとおくなるのにきづかなかった
かえるのうごきをむちゅうでおいかけて、まわりのおとなんかきこえなくなっていた
ぼくもかえるをおいかけて、はしっこにいたし
おかあさんもぼくをみてるからへいきだとおもいこんでた
あめも、さっきよりからだにあたらなくなってきてる
もうすぐやむのかなぁって、かえるをおいかけながらかんがえていた