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幸せの欠片

第10章 いらない



「かずなりくん、起きてくれるかな」

かたをぐらぐらされて、ぼくはめをさました

いっぱいないたからか、いつのまにかねちゃったみたい


「…おうちついたの?」

まだねむいめをこすってまどのそとをみた

おうち、とはちがうけしきだけど

「いや、家じゃない。病院だよ」

「びょういん?」

「…ちょっと、おじさんとお話しようか」

ニコッとしたおまわりさんが “おりるよ“ とぼくをパトカーからおろすと、ぼくのてをにぎってくれた

おかあさんとはちがう、おおきなて

ゴツゴツしてるけど、おまわりさんのてもあったかくて

なんとなくおとうさんのてに、にてるとおもった


「ああ、泣いたまま寝たからかな。目が腫れてる」

ぼくのかおをみたおまわりさんがこまったようにわらう

「はれてる?」

「うん。目が重いだろ」

うまくあかないのは “はれてる“ ってことみたい

「ジュースでも買うか。少しそれで冷やすといい」

「ジュース!」

「目を冷やしてからな」

つないでないほうのてで、おじさんがあたまをくしゃくしゃになでた


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