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あと3秒だけ。

第21章 あと3秒だけ。


そして私はゆっくりと、身体を離す。

『貴久さん、さようなら!』

『有紗…元気で。今までありがとう。
・・・・・・・・・さようなら。』

最後はお互いに笑顔だった。

私は会釈をして、

会場をあとにした。

ホテルの外に出ると彩が待っていた。


『あれ、佐藤さんは・・・?』

『帰ったよ。それより、有紗・・・言えた?』

彩の言葉に今まで堪えていた涙が

一気に溢れ出した。


今夜は思い切り泣こう。

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