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君がいる風景

第12章 恋は虹色




マンションの下で待っててくれた翔ちゃんと
俺んちまで歩いて行った。
晩飯はコロッケにキャベツをいっぱい入れた豚汁
ビールは翔ちゃんが買っててくれた。


俺が焼いたコッペパンをお持ち帰りしてきて
翔ちゃんが買っててくれたコロッケ
ざくざくに切ったキャベツの千切りを挟んで
コロッケパンにして明日の朝飯なって
ラップに包んで帰り際に手渡した。



「やっぱ送ってくわ。
坂道で転ろんだりしたら心配だし。」

「平気だってば!
智くん仕事して疲れて帰ってきてるんだよ。
ゆっくりお風呂でもはいってよ」

「じゃあ翔ちゃんも一緒にはいってく?」


「………………っ!!」



ほんのかるい冗談半分の台詞。
なのに、俺のかわいい恋人は真っ赤な顔で
俯いて黙り込んでしまう。

なんなんだよ、この初心な反応!!



「冗談だって!
翔ちゃんの顔見て話してたら疲れが飛んじゃって
くからさ、送らせてよ」

「うん…」

玄関先で手をつなぐと握り返してくれる指先。
キスすると、ビールの味がすこしして抱きしめると翔ちゃんの腕が背中に巻きついてくる。



シーンとした静けさの中で
泊まっていけばいいのにって言葉が舌の上に
乗っかって転がり落ちそうなところで
なんとか理性のカケラがブレーキをかけてきた。



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