君がいる風景
第3章 歓迎会
この部屋に引っ越してきて2か月足らず
学校と部屋との往復と、あとはバイト先との往復。駅前の周辺もまだ散策したことがないらしい。
「あのさ、翔ちゃんってさ
今日このあとの予定とかは?」
「ううんなんにも。部屋の中片付けてあとは
キッチン道具とかの買い出しなんかを
しようかなぁって」
「だったらさ、俺がこの町内を案内してやろうか?
迷惑かけたお詫びと弁当の御礼でさ」
「え?!いいの?」
「おうよっ、駅前とか顔なじみの店とかもあるし
弁当なら唐揚げのうまい店教えてやるよ。
コンビニ弁当よりびっくりするくらい美味いぜ。」
頬いっぱいに詰め込んで目を大きく開いて
驚いてみせる表情は、昔飼ってたことのある
かわいいハムスターを思い出した。
食い意地のはったヤツでヒマワリのタネを
あげると頬いっぱいになっても詰め込もうと
してたヤツ。
名前を呼んでやると、大きな瞳で
鼻をヒクヒクさせながら見上げてきてた。
翔ちゃんにそんな小動物に似てるなんて言ったら
気を悪くするだろうけど
でも、やっぱかわいいって思っちまう。
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