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第26章 ちくたく
#A
誠心誠意、今日の失態を謝ってるうちに
段々とかずくんの機嫌が直ってきたみたい。
ていうかもう許してくれてるんだろうな。
だってほら、その証拠に、
拗ねたふりして話してるその口、
ちょっと口角上がっちゃってるよ?
なんて、いまそんなこと言ったら
うちの姫はもっと拗ねちゃうから言わないけど。
A「かずくん、 チョコケーキもプレゼントも
ほんとにほんとに嬉しいけど、
かずくんと過ごせるのが1番嬉しいよ。
俺のせいで今までの時間台無しにして、
ほんとにごめんね?」
N「・・・ん。」
A「許してくれる?」
N「…ん。 」
A「・・・(うん、だよな?) 」
N「ん! 」
照れ屋な姫は俺にギュッとしがみついて
顔を隠してしまったけれど、
ここからすぐ見える耳は真っ赤。
A「・・・くふふ♡ 」
N「なーに笑ってんだ・・・
・・・・・・っくふふふふ」
かずくんだってもう笑っちゃってんじゃん。
未だにグリグリと俺の胸に頭を押し付けてる、
その顔を上げて欲しくて
ちゅ、ちゅ、とおでこやこめかみに
キスを落とすと、くすぐったそうに身を捩る。
可愛い。
可愛くてたまらない。
N「まーくん…」
A「・・・ん? 」
パッと顔を上げたかずくんが、不意打ちで
触れるだけのキスをしてニコッと微笑んだ。
N「・・・一日早いけど、誕生日おめでと♡」
