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第30章 ほわほわ
てなわけで。
N「これをxとして、こっちの公式使ってさ…」
ほぼ顔見知り程度の女の子と
カフェでふたりでお勉強なんて
かなり不思議な状態。
周りからはデートとでもみられるんだろうか。
なにこれ。
貴重な土曜日なのに、
まーくんとは一言も交わしていない。
週末はいつも一緒に寝てたのに
今週はそれもなし。
N「はぁ……、」
伊「あ、ごめんね…?
折角の土曜日にやっぱ迷惑だったかな…?」
自然と出たため息に、
伊野尾さんが申し訳なさそうに眉毛を下げた。
N「んゃ、ごめんごめん。
そういうんじゃないから。」
でもなぁ。なんか腑に落ちない。
あれか?
勉強はあくまで呼び出すための口実で、
この後"相葉くんのことで協力してほしい"
とか言われんのか?
N「伊野尾さんってさ、ほんとに数学苦手?」
伊「え。」
ぶわって赤くなった伊野尾さん。何それ。
N「いや、のみ込み早いし、なんなら
俺いらないんじゃないかなーと思って。
あ、別に教えるのは全然いんだけど、
なんでわざわざ話したことも少ない俺に
頼んだのかなーと思って。」
ますます赤くなった伊野尾さんが、
俯き気味にボソッと呟く。
伊「・・・に、二宮くんと、
な、仲良くなりたいな、と思って・・・」
ふぅん?相葉くんの内情を探るため?
N「・・・相葉くんのことなら協力出来ないよ?」
もう先制攻撃。俺と仲良くなっても、
なんの得もないよーって教えてやらなきゃ。
伊「・・・え?相葉くん?」
キョトン、とした顔を
こちらに向ける伊野尾さんに
若干イラつき、ストレートに疑問を投げかけた。
N「相葉くんのこと好きなんでしょ?
でも相葉くん付き合ってる人いるから。」
