
痴漢電車
第13章 夜のデート
千佳「夜の学校って怖いくらい静かです
よね…」
亘「誰もいないからね」
千佳「なんか…出そうな感じ…」
亘「幽霊とか?」
千佳「!?」
幽霊やお化けを信じてるわけではないが
夜の学校は少し不気味な感じで
亘の腕にすがった
千佳「…っ」
亘「もしかして怖いの?」
千佳「べ、別に…」
亘「良かった、実はうちの学校、出るら
しくてさ…」
千佳「でっ、出るって、なにが…」
亘「幽霊」
千佳「!?」
亘「夜、誰もいないはずなのに音楽室か
らピアノの音が聞こえるとか」
千佳「ピアノの音…」
亘「理科室の人体模型が夜な夜な一人で
ダンスしてるとか」
千佳「人体模型が、ダンス…」
亘「あくまで噂話だけど教師として事の
真相を確かめなきゃ」
千佳「…」
夜、音楽室から聞こえてくるピアノの音
夜な夜な踊る理科室の人体模型
どちらもありきたり
作り話だが…
亘「千佳、早く行くよ」
千佳「…ぅんっ」
千佳はその作り話をすっかり信じていた
