痴漢電車
第15章 それぞれの道
千佳「ねぇ、亘さん…」
亘「…なに」
千佳「私、今すごく幸せ…」
亘「…」
千佳「こんなに心が満たされたの初めて
胸がいっぱい…」
亘「そっか、良かったね」
千佳「ぅんっ」
亘「…」
亘の腕に抱かれ余韻に浸っていた千佳
心も体も満たされ幸せだった
あの瞬間まで…
亘のその言葉を聞くまでは…
亘「…千佳…あのさ…」
千佳「?」
亘「聞いて欲しい事があるんだ」
千佳「なに?」
亘「…」
千佳「亘さん?」
亘「…」
起き上がり千佳と一定の距離を置いた亘
真剣な眼差しで何かを言いかけ
少し言葉を詰まらせた
亘「…ごめん…」
千佳「どうして謝るの…」
亘「…」
千佳「亘さん?」
亘「…」
亘が何を言おうとしてるのか予想出来た
だけどそれを認めたくなくて
気づかないフリをした
だけど…
亘「ごめん、俺と別れてくれ…」
千佳「…」
その予想は的中した