
痴漢電車
第16章 痴漢の末路
千佳「…」
尚輝「早川に言わなかったのか」
千佳「町田君!?」
尚輝「月島が痴漢で逮捕されたのは本当
だって」
千佳「…言えないよ…いつかはバレる事
だけど私の口から言えない…」
尚輝「…だよな…」
千佳「…」
卑怯だって思うかもしれない
だけど千佳自身、まだ混乱していて
恭子に亘の事を話す事は
出来なかった
千佳「…」
尚輝「でも自業自得だよな」
千佳「えっ…」
尚輝「痴漢の現行犯で逮捕されるなんて
反省してやめればよかったのに続けてる
から…」
千佳「…そうだね…」
尚輝「…」
千佳「でも私も悪いから…」
尚輝「はぁ!?何で千佳が悪いんだよ?
お前は被害者だろう?」
千佳「知ってて止めなかったから」
尚輝「何だよそれ」
千佳「…」
痴漢はする方が悪いし
被害者が自分を責める必要もない
だけど千佳は亘が痴漢で逮捕されたのは
止めなかった自分も悪いと
自分を責めた
そんなの結果論でしかないのに…
