
痴漢電車
第16章 痴漢の末路
千佳「…」
尚輝「月島の事はもう忘れろ」
千佳「えっ…」
尚輝「お前とあいつは違う、だから」
千佳「…ありがとう…」
尚輝「…」
尚輝はまだ何か言いたそうだったが
千佳は尚輝の手を振り払い
芳恵の後を追った
真相を確かめる為に…
千佳「…」
芳恵「またお化粧直さなきゃ…」
千佳「…」
芳恵「全く、疲れるわ…」
千佳「…」
数分前まで泣いていたのに数分後には
崩れた化粧の心配をする芳恵
少しずつだったが…
芳恵「元カレが痴漢の常習者なんて最悪
私の人生の唯一の汚点だわ…」
千佳「榊先生…」
芳恵「寺田さん!?」
千佳「…」
芳恵の偽りの仮面が外れ始めていた
千佳「榊先生にとって月島先生は人生の
汚点ですか…」
芳恵「寺田さん、あのね」
千佳「心配しないでください、今聞いた
事は絶対、誰にも言いませんから」
芳恵「寺田さん…」
千佳「…」
