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痴漢電車

第16章 痴漢の末路



千佳の一件以来、屋上は立ち入り禁止に
とはいえドアの鍵は開けっ放し
出入りは可能だった


尚輝「…」


授業をサボると一人、屋上に出た尚輝
自殺する気は全くなかったが
グッと身を乗り出した


尚輝「これが死ぬ前に千佳が見た最後の
景色か…」


屋上から見える景色は普段と変わらない
変わらないはずなのにどこか
悲しげに見えた


尚輝「…千佳のバカ…自殺するくらい…
月島の事が好きだったのかよ…」


崩れ落ちるように、その場に座り込むと
尚輝は声を押し殺して泣いた
涙が枯れるほどに…


尚輝「…バカ…千佳のバカ野郎…」


痴漢は犯罪、決して許される事じゃない
被害者を傷つけ周りの人達の
人生をも狂わせる


だから絶対、痴漢行為をしてはいけない
痴漢で苦しむ人達をこれ以上
増やさない為にも
絶対…


(終)


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