痴漢電車
第17章 番外編 町田百合
彼女の自殺から数カ月が経ち季節は冬に
外に出ると少し肌寒く吐く息も
白くなり始めていた
尚輝「…」
屋上は立ち入り禁止だったが相変わらず
鍵は開いたままで出入りは自由
尚輝は授業をサボって
屋上で一人…
尚輝「…ふぅ」
特に何かをするわけでもなく寝転がって
流れる雲をただ見つめていた
尚輝「…」
恭子「あっ、やっぱりここにいた」
尚輝「早川か…」
現れたのは早川恭子だった
彼女は千佳の親友で亡くなってからも
変わらず話したりしていた
会うのは決まって
屋上だが…
恭子「またサボり?」
尚輝「…別にいいだろう…」
恭子「別にいいよ、例え町田君が単位を
落としても私には関係ないし」
尚輝「…」
恭子「だけど友達が自殺しようとしてる
のを見過ごす事は出来ないからね」
尚輝「…」
恭子「図星だった?」
尚輝「…安心しろ、俺は自殺はしない…
最後まで生き続けるよ…」
恭子「良かった」
尚輝「…」