幸せの欠片 *超* 番外編
第4章 奇妙な同居生活
「俺が今考えてる事、分かるよね?」
柔らかい髪を撫でながら、軽く耳に触れた
その一瞬で赤くなるそれに愛しさが募る
「…うん」
かずが小さく頷いて、恥ずかしいのか顔を胸に隠した
「顔、上げて」
髪に触れていた手を腰に回す
おずおずと顔を上げたかずの目元が赤い
照れているのだと、一目で分かる
「好き」
そう言った途端、かずの顔がへにゃんと蕩けた
「俺も、好き。相葉さん大好き」
さっきの照れは何だと思うくらい、はっきり答えたかずの腕が首に回る
そして俺が仕掛けるより先に、かずの方から唇を重ねてきた
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「はぁー、幸せ」
かずが幸せそうに上目遣いで俺を見た
そんなの、俺だって幸せに決まっている
再びかずが自分の腕の中で眠るなんて、誰が想像できる?
あの日に、全て失ったと思ってたのに
世界が色褪せて見えて、何もかもを諦めていたのに
ただ…
かずはいつまで、俺の傍にいてくれるのだろう
それだけが、俺の気掛かりだった