
溺れてみたい
第2章 ニ
……あれ?朝?
いや違う。外が暗いから、夜?
私あれから寝てたんだ。
あの死神みたいな男と。
「――おはよう、由来ちゃん」
声がして眠気眼をパチッと開くと、目の前には椎名の顔があった。
いつから起きていたのか分からないけど、私を見てニコッと笑っている。
「おはよう、ございます……」
「よく眠れた?」
「はい……お陰様で……」
やっぱり薄気味悪い。
いつから見てたんだろう。
この歪んでる様な目で……。
私は生理的に椎名から目を逸らした。
しかし、
「よし、じゃあ、ヤろっか!」
明るい声が耳に入ると、視線をまた椎名へ向ける。
