テキストサイズ

溺れてみたい

第3章 三


「じゃあ言え、ほら」

「ん……」


たった一言、言うだけだ。

言えば乱暴に扱われずに済む。

そう、たった一言だけ――


「好き……」


意識をぼんやりとさせたまま震える口を開くと、私は私の横に座っている奈都の顔を見た。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ