
既成事実作ってやるよ
第1章 運命へのカウントダウン10
『嘘ついてるよね?』
5年付き合ったんだよ
そのくらいの嘘、
鈍感なあたしでも気づく
「つぐみ、聞いてくれ」
急に司は悲しい表情であたしに近づいた
『昨日の電話が全てだよね?
何も聞きたくない・・・
婚約の話も考え直したい』
落胆したような司に今は優しい言葉をかける余裕もない
「一回の過ちくらいつぐみは許してくれるだろ?」
自分を援護する司の言葉にあたしは何も言い返せなかった
過ちを謝罪するわけでもない
先に出た言葉は、自分の過ちくらい許せなんて
考えられない。
