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COLOR’S~殺したのは私~

第9章 一茶VS琥珀(ISSA SIDE)①

「朱夏の風邪は治りそう?」

もし治ればまだ間に合う。

花火大会には野郎同士で行って
その後に朱夏と落ち合いラブホに行けばいい。

本当に俺は往生際が悪い。

「私が家を出る前にトイレで吐いてたけど」

結構な重症だ。

ラブホの予約もキャンセルしなくてはいけない。

ポケットから携帯電話を取り出すと悟史から着信があったことに気付き掛け直した。

『花火大会どーすんの?』

思った通りの内容だった。

朱夏とラブホで過ごせないなら序章である花火大会なんて何の意味ももたらさない。

「行かねーよ。おまえら二人で行ってこいよ」

花火大会なんてどうでもよくなり
投げやりになっていた俺は
すぐに電話を切った。

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