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これまでの事情聴取で白石碧海の名前だけが一向に上がってこない。

しかしそれは当然といえば当然である。

白石碧海は大学院に進み伊勢原市にある研究室で来る日も来る日も研究に明け暮れ、回りに他人を寄せ付けないほど没頭していた。

研究室と研究室近くで賃貸契約されたアパートの往復が主な生活サイクルであり、生活費の面々は親からの援助を受けていた。

これまでの事情聴取の内容だけでは青島一茶殺害の犯人を特定出来ずにいた。

白石朱夏は向井博巳と不倫関係であったが職場での評判は決して悪いわけではなかった。

社交的で誰からも好かれる性格で仕事も真面目に取り組む。

白石琥珀に関しては一貫性に欠けていた。

事情聴取では相澤哲也との関係と宇田川和樹を誘惑していたことを真っ向から否定し続けた。

第三者の事情聴取で幾つか判明したこともある。

それらを元に再び三姉妹の事情聴取が個々に行われた。