テキストサイズ

ジッパー様

第12章 フラッシュバック

「進藤さん……」

「今日は部長から仕事頼まれなかったんだ?」

「はい……」


 私は進藤さんから目をそらした。
 そういえばこの前、コピー機の前でバイブで感じてるところを見られたかもしれないから、目を合わせられない。


「それでいいんだよ、自分の仕事は自分でやれってね」


 そう言うと、進藤さんは私の隣に並んで歩き始めた。


「オレもこっち方面だから」


 そうだったんだと思いながら、ふと会社の隣にある喫茶店に目を向けると、ちょうどメガネ女が喫茶店から出てくるのが見えた。
 一瞬、目が合う。


「……っ……」


 すぐに目をそらしたけど、メガネ女の口元がニヤリと笑ったような気がした。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ