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ジッパー様

第17章 なり損ないの末路【セイヤside】

 男はプールから出ると、また椅子状態になって、激しく腰を振り始めた。


『いやっ……いやあああっ!』


 ついにハルカちゃんは悲痛な叫び声を上げる。


「あかん、これ以上見てられへん。ハルカちゃんを助けないと!」

「待て、セイヤ。お前が行っても殺されるだけだ。……私が行く」

「え?」


 突然の社長の言葉に目を丸くする。


「社長が助ける? そんなん……社長だって、殺られてしまいますよ!?」


 フッと社長は笑った。


「いちごくん、私の腕にもジッパー様の血液を投与してくれないか」

「!?」

「あら? ついに伊崎社長もジッパー様のきょうだいになるのね? しかもハルカのために? 素敵だわ!」

「社長っ……何考えてるんですか! そんなことしたらっ……」


 まさか自分を実験台にするなんて……!!



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