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ジッパー様

第18章 疼く身体

 別荘から喫茶店に戻るとき、伊崎社長はいなかった。緊急な仕事が入って、急遽ルーアニアに向かったらしい。


「これ、僕の携帯番号や。何かあったら連絡してな」


 そう言ってセイヤさんは名刺を渡してくれた。


「セイヤさん……」


 セイヤさんとの繋がりができてホッとしている自分がいる。セイヤさんと会えば、伊崎社長とも会えるかもしれない……って私、どうしてこんなにもあの人が気になるんだろう。


 そういえば別荘のベッドで寝ている時に、伊崎社長からキスされた夢を見た。ベッドが沈んだあと耳元で息遣いがして、何度もキスをされた。舌も入れられて、濃厚なキスが続いた。でもそれ以上はなかった。あれは夢だったの?



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