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ジッパー様

第20章 過去の記憶

「失礼、隣に座っても?」


 周りの雰囲気に圧倒されていると、一人の男性が私に声をかけてきた。


「あ……はい、どうぞ」


 男性はもちろん仮面をしていて、どこの誰だかわからない。その前に、私にとってはすべての人が初対面だけれど。


「僕はルーク。君の名前は?」


 ルーク? 外国の人?
 どう見ても日本人に見えるけど……。


「私は、九条シホです」

「……。シホさんだね、よろしく」


 あれ? 今一瞬間があったような気がしたけど、挨拶はこれで合ってるんだよね?


「ここのパーティーは初めてかな? その赤いドレス、とても素敵で似合ってるよ」

「あ……ありがとうございます」


 ルークに褒められてドキドキする。


「僕はラッキーかもしれない。こんなに素敵な君に出逢えたんだから」


 そう言うとルークは、私のそばに寄ってきた。


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