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ジッパー様

第2章 喘ぐ女たち

「……はぁッ……」


 ──気のせいだろうか?
 話し声というより、息遣いが聞こえたような……。


「お客様の席はこちらになります」


 淡い光を放つランタンが置かれたテーブルに案内され、私はメガネ女と対面で座った。     
 テーブルにはメニューがあり、普通の喫茶店と同じように食事ができるようになっている。


「いちごパフェをお願い。あなたは何にする?」

「……私はコーヒーを」


 とてもじゃないが、こんな怪しい場所で何かを食べる気にはなれない。
 実はこの中に入ってからずっと何かの視線を感じるのだ。ずっと誰かに見られているような気がしてならない。


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