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Hello

第7章 ふわり * 末ズ


Jun


収録と収録の合間の、少し長めの待ち時間。

テレビをみたり、雑誌を読んだり、思い思いのことをして過ごしていた、そんな時。

「……珍し」

リーダーの呟く声に、全員一斉に顔をあげ、リーダーの目線を追えば……。


「……わ。本当だ」

相葉くんが笑いを含んだ声で、その手から滑り落ちそうなゲーム機をキャッチして、そっと机に置いた。

「珍しい……というか。ほぼ初めてじゃない?ひょっとして体調悪いの?こいつ」

翔くんが、ちょっと心配そうに、うつむいてる顔をのぞきこんだ。


「…爆睡してるよ」

リーダーが面白そうにクスクス笑った。

リーダーにもたれるようにして、完全に眠ってしまってる、にの。

こいつが、寝食をおざなりにしてしまうくらい、ゲームに集中するやつだってのは周知の事実。
仕事中だって、本番ギリギリまでゲーム機を触っている。

つまり。
起きてる間は、仕事以外はほぼゲーム一色のはずなのだ。

そんなやつが、居眠りしてるなんて。
確かにレアかも。


……でも、俺は、知ってるんだよね。


一番端の席でみんなと同じように驚いてみせてるけど。

……本当は、これ、俺のせいなんだよな。


俺は、軽く上下するにのの薄い肩をみつめた。



リーダーの細い指が、にのの額に軽く触れる。

「…大丈夫。熱はないよ」


……あったらヤバイな。

俺は、苦笑いして頷いた。


……疲れさせちゃったもんなあ。

俺は、頬杖をついてにのをみつめ、数時間前を思いだしていた。

俺の部屋で、求め求められ、何度も繋がり何度も愛し合った。

次の日が収録なのは分かってたけど。

色気のある顔で、潤くん、もっと……と言われて、セーブできる男がいたらお目にかかりたい。

だけど体力のある俺と、あいつじゃ、回復力に差はあるよな、そりゃ。

……ちょっと反省。

翔くんがブランケットを持ってきて、何故か、にのにつられて、ぼんやりしてるリーダーにクスっと声をかけた。


「あなたも寝ちゃえば」

「……うん」

やがて寄り添い静かに寝息をたてはじめた二人。

翔くんと相葉くんの穏やかな瞳。
肩をにのに貸すリーダー。

この人たちの優しさが好きだ。
いつか、俺らの関係打ち明けてみようか。
きっと受け入れてくれる気がするよ。
ねえ。にの?

20171018









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