Hello
第11章 欲しいものは * 山
Satoshi
サイドボードにおいていた、スマホが、ぽっと明るくなった。
薄暗い部屋に、その光はとてもまぶしくて。
手にとって、指をすべらすと、
『お誕生日おめでとう。オジサン。またご飯連れてってね』
クスリと笑う。
「すげーな……やっぱ、にのが一番だった」
まるで、先を争うように0時をすぎたら入ってくる祝福の言葉。
続いて小さく震えるスマホが、また入ってきたメッセージを告げる。
『おーちゃん、ハッピーバースデー!《*≧∀≦》釣りはほどほどにね💓』
「……ハートマークおかしくない?」
いつでも天然な相葉ちゃん。
絵文字で、テンションが伝わってくる。
『Happy birthday リーダー。体大切に、これからも俺らの良き兄貴でいてください』
「……かたいな(笑)』
真面目な松潤らしい。
でも、俺のことを考えてくれてる優しさが嬉しい。
仲がいいといわれてる俺ら。
あたりまえのように行われる、相手を思いやるやりとりが、きっと自然にそういう雰囲気をうむのだろう。
「……もういい?」
後ろから抱き締められていた腕に力がこもる。
肩にのせられた顎が動き、耳に寄せられた唇から囁くように、「俺の番だよ」と言われた。
ゆっくり振りむいて、その広い背中に腕をまわした。
素肌と素肌が密着する。
胸に耳をくっつけると、トクトクとなる心臓の音がする。
腰回りに引き上げられてたシーツから、翔ちゃんの足がにょきっと出てきて、俺をがっちりつかまえて。
「智くん。お誕生日おめでとう」
「……ありがと」
離すまいと、ばかりに、ぎゅうっと抱き締められその力に、笑いがこぼれた。
そうして至近距離で、大きな目で見つめられ、そっと顔を寄せられる。
応えるように、少し上向くと、ぽってりした厚い唇が重なった。
そのまま、ついばむように優しいキスを繰り返される。
「ん…」
気持ちよくて、うっとり目をあけたら、翔ちゃんは、ニコリとして、そのまま俺の首筋に舌を這わせた。
「……っぁ」
次第に力がはいらなくなった体は、翔ちゃんにゆっくり押し倒され、組み敷かれた。
「もっかい……いい?」
熱い目で問われたから、俺は頷いた。
「たくさんちょうだい……」
決めてたよ。
…俺が誕生日に一番欲しいものは、あなたなんだ
20171126