
僕のまーくん。
第21章 衝動
出されたジュースを飲んだ。
緊張してるのか、
気付かないくらい
喉乾いてたんだろうな……
……あっ、美味しい。
パッと先輩と目が合った。
「にのさぁ、相葉くんのどこが
好きなの?」
!?
唐突に、何だよ!
「……はい!?」
「顔?身体?」
…………………………。
ポッと赤くなる顔が熱い。
「……まーくんの事は全部……」
この人には、全て話そう。
その為に来たんだし!
「全部って?」
先輩の顔をチラリと見ると
さっきみたいに笑ってなかった。
マジな顔してる。
……ちょっと、怖いんだけど……
「……だから全部です」
「俺は?俺の事は嫌い?」
!?
「……まーくんの友達ってしか
見えません……」
「俺はね、初めてなんだ」
?
「何が……ですか?」
「同性にこんな惹かれたのなんて」
………………。
「もう1回言わせてよ。
にの……好きだ」
先輩の大きな目が僕を
しっかり捉えて逸らせない。
「……なんで僕なんですか?
……先輩みたいな人なら、
いっぱい、いるんじゃないですか?」
「にのがいいんだ」
「……僕は……」
「相葉くんのものだって分かってる」
「……じゃあ……」
「やっぱ諦めるの無理!」
!?
「さっき約束してくれたじゃないですか!」
「俺の事嫌い?」
「………………。」
「先輩、約束は?」
真剣な先輩の目が僕を捉えて……
あの、海の日の事を思い出して
反射的に身構えてしまう。
だって、ここは今この人の
テリトリーだから。
まーくんも……いない。
やっぱ、来なきゃ良かった……
