
僕のまーくん。
第38章 綾野くん
二宮くんも……男子なんだな。
キレた二宮くんにドンッと押された勢いで
よろけた俺。
……結構、痛かったし。
思わず、二宮くんを見た。
……いや、相手からすれば俺の目付きが
悪いせいか睨みを効かせたみたいに
なっちゃってるのかもしれない。
……違うんだけど。
N「笑ってないで答えろよ!」
ドスの効いた声で俺を睨み付ける二宮くん。
N「相葉雅紀になんで付きまとうんだっ!!」
顔を真っ赤にしながら、二宮くんが叫んだ。
……相葉先輩だから?
こんなに、大人しそうで優しいだろう
二宮くんをここまで変えるのは。
相葉先輩の事を想ってなんですか?
「幼なじみって言ってたけど、あなたの恋人
なんですか?」
俺は、つい……二宮くん本人に聞きたい事を
言ってしまっていた。
目の前の二宮くんは、ギョッとした
顔をした。
……その反応は?
やっぱり、ただの「幼なじみ」では
ないんじゃないですか?
俺も、そう思うとまた、胸がドキドキしてきた。
すると、二宮くんは急に俺の質問とは
全然違う事を俺に逆に質問してきた。
N「……ねぇ、お前さ、僕の机や鞄とか家のポスト
とかにまで変な紙切れ入れてんじゃない?」
はい?
なんの事ですか?
「紙切れ?何の事ですか」
変な紙切れ……って、何?
N「何の嫌がらせだよ?僕にだけ……」
嫌がらせって……えぇぇっっ!?
誰かになんかされてるんですか!?
綾「嫌がらせ?何の事かさっぱり分かりませんが」
N「お前じゃねーの?本当に」
さっきの怒りの表情はフッと消えて、
今度は上目遣いで二宮くんが、
ちょっと不安な表情を見せた。
……二宮くん!
可愛い二宮くん、誰かになんかされてる
んですか!?
「なんかされてるんですか?」
俺は、目の前の狼から可愛らしい
子犬に戻った二宮くんが、急にひどく
頼りない生き物に見えて
心配になってきた。
