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心の隙間に…「君を好きにならない」スピンオフ

第2章 マグカップ


夜中ということもあって

俺たちは
静かにアパートに入った

鍵を開けて
コータを部屋に入れると
コータは

「こんな夜中に
お笑い見てもゲラゲラ
笑えませんね」

って
笑ってみせた。


俺が
緊張してると思ってんだろうか。


「マグカップどれですか?
あっ…これ?」


早速コータは
俺が話したマグカップを探し出し
手にとって俺に見せた


「うん、それ。
そこにゴミ箱あるから…」


「ダメっすよ」


「え?」


「家のゴミ箱なんてダメです。
外に捨てに行きましょう。
コンビニに行って
ちゃんと捨てなきゃ」


「お、おい」


そう言うと
コータは俺の手を握り
玄関へと向かった。


そして

玄関でコータは
先に靴を履くと
俺を振り返り

握った手を俺に見せて
こう言った


「咄嗟に握ったふりして
手を繋いでみました。
意外と手が小さくて可愛いです」


「お前っ!」


「大きな声出すと
近所迷惑ですよ。
さ、靴履いて下さい」


「あ、あぁ…わかった」

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