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オキナグサ

第2章 お礼


スマホを持ってきて、自分のアドレスを表示させる


一応本名は内緒にしたいから
コピーしてメモとかに貼り付けて

こんなもんかな

家知られてて本名隠しても意味ない気がするけど


「はい」
「…………と、これでメール届いたか?」
「あ、届いたよ」


やばい
勢いでありがとうとか言いそうになった

何もありがたくないわ


それからアサヒさんはバタバタと支度をして


「また連絡する」


と言ってさっさと俺の家を出て行った


なんだかんだ風のようだった

昨日の夜から思い出すけど


何も記憶に残ってない


残ってるのは


せっかく体調戻ってセックスしようと思ってたのにオナニーしか出来なかったことと

初めて自分の部屋に上げた遊びの相手に、連絡先まで持っていかれたこと


こ、この時間の濃密さで
記憶はこれだけ……?

いや、もしや世の中からしたら大したことなかったのか……


いや、そんなわけない
絶対そんなことない


「よし、とりあえず昨日のマッチョに連絡取ろう」


つかまりますように
つかまらなかったらとりあえず例のナイスミドルなドM専務に連絡しよう

とにかく俺はセックスがしたい

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