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カオルの撮影での疲労は
ハンパなかったため…

黒光太は
撮影したスタジオの上のフロアにある
(株)SoHの事務所にカオルを連れていった


黒光太は
AV男優をしながら
SoHという
大手AVメーカーを築き上げた。
SoHとは
ソフト・オン・ハビネスの略だそうだ。

黒光は
イズレハAVにかぎらず
さまざまな映像作品を作っていきたいと
夢を語った…。

『現実から逃げないで、夢をもつってことは大変だけど、現実をいいわけにして、夢から逃げ出すようなことをしちゃダメだよなぁ…。』
ソファで休息をカオルのとらせながら
黒光は
独り言のように呟いた。

『ところで、カオルちゃん…　…ほんとに避妊してなかったの？今日まで…』
黒光は
心配そうに
カオルに尋ねたら。

『……うん。それは本当…。』

カオルは不安を漂わせて
キュッと拳を握った…。

『健太と私は、鈴村の悪巧みを潰さないといけなかったの…　私のためにもマコっちのためにもね。だから鈴村とマネージャーの尊には怪しまれるわけにはいかなかったからね…。』
カオルはさそう答えた。

そして…
『健太は…　私に何があっても受け止めるって誓ってくれたの…。西園寺カオルとしての私を大事にしてるわけでなくて、田沢薫子としての私を守っていきたいんだって…。』
カオルのその言葉を聞いて

『すごいね…本物だね…。いい夫婦だね…。』
黒光は
そう微笑んだ…。

そして

『あ！ちょっとやぼ用。電話してくるね』
そう言って
部屋を離れた。

カオルは一瞬深い眠りについた。