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店の扉をあけた
美紀と鈴村を

『いらっしゃいませーーー！！』

暖かな力強い声が迎えた。


『どう？この店。……私ね、このお店大好きなんだ。ご主人がすごく暖かい人なんだよ。』

そう鈴村に美紀は囁いてから

『翔太さん、適当にお願いね』
慣れたしゃべり方で
お任せのオーダーを美紀は
翔太にお願いした。


『おや？こちらのかたは、初めていらしてくださいますよね？今後ともよろしくお願いします。』

翔太は武骨にそれだけ挨拶して
調理場に入っていった。

店の奥の席…。

運ばれてきたビールを
カチンと合わせて
美紀は浩にあらためて
『お疲れさま』
そう言葉をかけた。

『ありがとうなんて言葉じゃ足りないくらいだよ。感謝してる…。こんな俺を気にかけてくれて…。』
そう浩は答えた。

『これからどうするの？』

『…うん。まだ何も決めてない…。ただ…俺の存在が人生を狂わせたマコやカオルやヒトミには、合わせる顔はない…。あと尊にもね…、それと黒川さん…あ…黒光太って言った方が分かりやすいかな…。』

そう答える浩に
美紀は言った…

『もういいんじゃない？誰も浩にこれ以上の懺悔や謝罪を求めてないよ多分ね…。』
運ばれてきた
ふろふき大根を口にしながら
美紀は浩に語りかけた。