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好きにさせて

第7章 誓い

平田との電話を切ると
俺はソファに座ったまま
茜のことを思い出していた


親父さんとうまくいってなくて
家に帰りたくないときがある


俺と
恋人のふりはしてくれるけど
恋人には
なってくれへん


年上が理想で
結婚はまだしたくない


前の旦那は年下で

俺には
年下の女をすすめる



けど

「キスしたい」と
思われたい

とか

寂しい時には
抱きしめてもらいたい

とか…


男に愛されたいとは
思うてるみたいや


もし俺達の予想通り
年下の旦那に浮気されて
その相手が若い女で
茜に子供はおらんから
茜は何年も
セックスレスやったとする


そしたら
いくら愛されたいと思うてても
もう年下の男も
結婚も
懲り懲りかもしれへんな…


そんなことを考えながら
ふと
茜が畳んで置いていった
俺のパーカーを手に取り
ソファに寝転がって
パーカーを顔の上にのせると

ふわっと
茜の香りがして

俺は目を閉じて
胸いっぱいに
その香りを吸い込んだ


はぁ…

結局

色々考えても
好きなもんは好きなんや
どうしようもない


想像の域やけど

年下の旦那がしたような
ひどいことをせんように
するしかないわな

そんで

茜がして欲しいと
心の中で思うてることを
してやるだけや


結婚なんか
求めへん

付き合うのも気が重いなら
恋人のふりしてるだけでもええ



茜との繋がりが
全くなくなってしまうより
その方が俺は
幸せなんやから


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